ボストンの信号は見づらい??? 障害者のアメリカ長期滞在ログ Vol.3 ~ボストンのアクセシビリティチェック <信号編>~
みなさんは障害者が海外に行く際、どのような不安を抱くかご存知でしょうか?ただでさえ海外に行くのには「言語」という壁があり、すごい決意やエネルギーがいるのに、障害者は他にも不安の種として頭によぎるものがあります。
それは、「街がバリアフリーか??」ということです!!
車椅子に乗っている人を例に出して考えてみましょう。
・もし電車の駅にエレベーターがなかったら?
・歩道と車道の間の段差が緩やかな場所がなかったら?
・せっかくいった観光地にスロープやエレベーターがついてなかったら?
これらの中には渡航前のリサーチの段階でわかるものもあれば、実際に行ってみないとわからないものもあるでしょう。
そこで現在ボストンに滞在している視覚障害のある私が、ボストンの街のアクセシビリティについて良い面悪い面をありのままに書こうと思います!私は弱視で、実際のところ歩行にはあまり問題がありません。そこで「歩行が難しい人たちはこんなところを心配するんじゃないのかな?」ということを、自分で想像したり車椅子を使っている友達や視覚障害者の友達等に聞きながら本記事を作成していこうと思います。
本記事は第1弾ということで、実際に僕もボストンで苦労している「信号」について紹介していこうと思います。
ボストンに来てみたいなと思っている障害当事者、障害者のいる家族など、多くの人にとってお役に立てればと思っています!
渡っていいよマークがややこしい!!
ボストンの信号の最も厄介なところは、「渡っていいよマーク(日本でいう青)」なんです!
日本は青になったら渡っていい、黄色になったらもう少しで渡っちゃダメだよという意味ですよね。
しかしボストンは「渡っていいよ!」も赤なんです!!!渡っちゃダメも赤なのに!!!なんてこった!!!
どういうことかと言いますと、まず「渡っちゃダメ!」の赤から「渡っていいよ!」の青に変わります。青といっても白い近い薄い青です。
ボストンの青はこちら↓↓↓
ちなみに僕の友達で白内障のある友達は、この白っぽい色は日中は背景の空の白色の関係で見えづらいんだそうです。夜は周りが暗いのでコントラストがはっきりしていて見えやすいです。
青マークに変わってから約5秒後、まだ「渡っていいよ!」の状態にも関わらず、青は何処かへ行って赤が現れます!「赤」は点滅していて、その右に赤い数字が登場します!この数字は「残り何秒で渡っちゃ行けなくなるよ」という意味です。
渡っていいよの赤はこちら↓↓↓
まだ渡っていいのに赤って、、、なんで渡っちゃダメな時の色と一緒にしてしまったのでしょう。。本当に困る。本当に。。。点滅してるかとか、数字があるかなんて、視覚障害者にとっては見分けるの簡単じゃない人もたくさんいるんだぞー!
渡っちゃダメの赤はこちら↓↓↓
音もまた独特!!
ボストンの信号の多くには「音」がついています。日本の信号にもついてるのありますよね。青の時になって、赤の時には鳴ってないあれです。
ではボストンの信号の音はどんなかと言いますと、基本的にずっと音鳴っています。笑。つまり音がなっているか鳴っていないかでは渡っていいかどうかを判断できないということです。
信号についているこの機械から音が出ています。信号の色を変えるためのボタンもここについています。押すのに結構な力がいるので、手の動きに困難のある友人はオスの大変だったと話してくれました。
ではどんな音かと言いますと、まず「渡っちゃダメ!」のときは
プッ、プッ、プッ、プッ、プッ
ってな感じです。
では「渡っていいよ!」の時はどうなのか、上でも述べましたが、ボストンの「渡っていいよ!」には「青」と「点滅赤+点滅数字」があります。
「渡っちゃダメ」の赤から青に変わった約5秒間の音は、
ドドドドドドドド、ドドドドドドドド
こんな感じ。
青の後点滅の赤+点滅の数字の時の音は、
プッ、プッ、プッ、プッ、プッ、
「渡っちゃダメ!」の赤と全く同じ。。。
色も同じだと思ったら音も同じかよ!!!これはわかりづらいよほんと。。。
これだと、「渡っちゃダメ!」の赤の時から信号待ちして青になってから渡る時は音の変化で渡っていいことに気づくけど、すでに青が終わってて「渡っていいよ!」の点滅赤+点滅数字のときは渡っていいのか音じゃわかんないよね。。。
これだと音だけに頼っている視覚障害者は渡るの結構大変ですね。
周りが渡ってるから渡って大丈夫だ!はリスキーかも??
信号を見つけられなかった時、僕がよくやることは「周りの人の動きを伺う」ということです。
仮に自分が信号の色の変化に気づけなくても、周りにいる信号待ちの人が動き始めたらそれは、色が変わった証拠!つまり僕も道路渡って大丈夫!僕はこれの方法をよく日本で撮ってきました。
しかしボストンでこれはたまーに危ない。笑。
なぜなら、
信号無視する人めちゃくちゃ多い!!!笑
信号渡っている人についてったら、その人が信号無視してて、僕も引かれそうになるということを何度か経験しました。。あれ結構危ないんすよ。
信号無視している人はその人の、「車にひかれないタイミング」で渡ってるわけでしょ?
その人について行く時は、だいたい1、2テンポ遅れて歩き出す。つまり「絶対にひかれないタイミング」ではないということです。
だから「周りの人が渡り始めたから」といって、信号を確認せずに渡るのは避けた方が良いでしょう。
困ったら目が見えないことをアピールするべし!!
じゃあ信号が見つけられない時、周りの人についてく作戦も使えない時、そんな時はどうしたら良いのか??
答えはいたって簡単です!
助けを求めなさい!!!
これで万事解決です!
僕もたまに使いますが、「本当は頑張れば見えるかもしれないけど、頑張りたくないから人に聞く」というのは、個人的にすごく生きやすいと思います。
普段歩行では使わないはずの白杖を困った時だけ出しちゃったりもして。笑。僕にとっては苦情は、歩行の補助器具ではなく、視覚障害者であることをまわりに「見せつける」ためのものです。
白杖を持って、隣に立っている人に
Can I across the road?渡ってもいい?(正しい英語かは知りません。笑)
と尋ねれば、だいたいYesかNoで教えてくれます。
これで良いのです!信号が日本より分かりづらい?そんな時は日本にいる時よりさらに人を頼ってしまいましょう!!
まとめ
結論から言うと、僕はボストンの信号が正直嫌いです。笑。視覚障害者にとっては日本のものより苦戦を強いられるかもしれません。
だからといって不安になる必要はありません。困った時は周りの人に助けを求めれば良いのです。日本では僕は試したことがないので、比較はできませんが、ボストンの人たちは尋ねた時は教えてくれます!他人に頼る力、最初は勇気がいるかもしれません。でも慣れるとすんごく楽ですよ!!!
普段困った時は聞く癖がついたおかげで、インターン中質問ばかりしてたら、「自分でまず調べろ。」と注意を受けましたが。笑。
信号が見えるか不安、と言う障害者の方にとって本記事がお役に立ったら幸いです。ぜひぜひたかが「不便な信号」に怯えず、ボストンに遊びに来てくださいね!都合が合えば案内しますよ!
では、今回も蝶分をお読みいただき、ありがとうございました!