母よ殺すなと僕
みなさんこんにちは!ゆ〜だいです!今日はブログ第9弾ということで、「母よ殺すな」という本を読んで、僕自身が思ったことについて記事を書こうと思います!内容を一つにまとめるのは難しいため、複数の記事にわたって書いていきます!本記事ではこの本の内容の要約をメインで書きます!
1これってどんな本??
最初にこの本を知った時に、タイトルが非常に強烈でした。でも内容を理解していくうちにこのタイトルの示すことを納得させられました。
この本は、1970年代の「青い芝の会」という、脳性麻痺の当事者団体による、障害当事者の権利擁護のための自立生活運動がどのような経緯で、どのような考えのもとで行われたのかについて、脳性麻痺の当事者である著者、横塚晃一さんの考え方を踏まえて書かれたものです。
2殺されて当然だったのか?
そもそも、脳性麻痺当事者が権利運動を始めたきっかけは、70年に横浜で起きた、母親による障害児殺害が背景にあります。
その母親は2人の娘がいて、どちらも脳性麻痺者でした。母親は妹を殺害。本来子どもを殺害すれば、重い刑を課されます。しかしながら、町内会や障害児を持つ親の会がその母親の減刑運動を始めます。
・かわいそうな母親を救え。
・障害者施設の不足が招いた惨劇であり、母親もまた不十分な福祉政策の被害者である。
このような意見のもとで、娘を殺した母親を擁護する動きが起きました。
この動きに対して、脳性麻痺当事者の団体である「青い芝の会」は、次のような考えのもとで、自立生活運動を始めました。
・なぜ殺した母親が擁護され、殺された子どもの権利は無視されるのか?
・障害者は殺されても仕方のない存在なのか?
この考え方を青い芝の会は主張し、都庁前での座り込み運動や母親の裁判を求めた運動などを含め自立生活運動を始めました。
3働かざる者、人にあらず
そもそもなぜ母親は脳性麻痺の娘を殺したのか?
この部分を追求することが、自立生活運動の第一歩になると著者は述べていました。
この子は治らない、治らないなら殺してあげた方がこの子のためだ。
母親が仮にこのように考えて、娘を殺害したのであれば、その背景には次のような考え方があります。
「働かざる者、人にあらず」
つまり、この子は障害があって、働くことができない、働けないなら生きていても意味がないという考え方です。
別な言い方をするならば、人間の価値は生産能力によって決まり、生産性が高い人(健常者)には価値があり、生産性の低い人(障害者)には価値がないということになります。
この生産性、効率性を重視した資本主義的、経済成長主義的な考え方が障害者をあってはならない存在にしている、これがこの本の中で最も筆者が伝えたかったメッセージであると僕は思いました。
この考え方は自立生活運動が始まってから、約40年経つ現在でも完全に人々の中から消え去ったとは決して言えません。
事実、去年起きた相模原の事件でも、容疑者がこの考え方に非常に似た発言をしていました。
現実として、生産能力で人間の価値を判断する考え方は根強く残っていると僕は思います。
そしてこれは障害者に限った話ではもちろんありません。一般的な会社でも仕事ができる人は尊敬の眼差しを受けるのに対し、仕事ができない人は上司のあたりが厳しかったり、劣等感を味わいます。そしてより仕事ができるようになること、生産能力を上げようとします。なぜなら、生産性が高い方が人間としての価値が高いという資本主義的な感が型が背景にあるから。。
しかし次のような考え方もできます。
人間の価値は資本主義の考え方で全て規定されるべきなのでしょうか?
そもそも仕事が人間の全てなの??
人類の歴史において、アダムスミスによって提唱された資本主義の考え方はわずか200年足らずの話です。そんな、言うなればぽっと出の考え方に私たち人間の価値を全て規定されるのでしょうか?
著者は、障害者は人間とは何かを改めて問う資源なのであると述べていました。まさにその通りだなと本を読んで僕も思いました。
正直なところ、僕自身現段階では、資本主義的な考え方で人間の価値を規定することが、全て正しいわけではないと表面的なことしか言えません。
じゃあどうするの?どういう考え方がいいの?その考え方を浸透させるためにはどうしたらいいの?
こういう質問をされたら、僕は返す言葉が今は見つかりません。
そもそも答えがあるのかすらわかりません。
しかしながら、人間の価値とはなにかを改めて考えることは全ての人にとって重要なトピックであると僕はこの本から学びました。
いかがだったでしょうか?本の中にある著者の考え方は僕にとっては、驚きばかりというか、新鮮というか、触れたことのないものばかりでした。
みなさんの中にも興味のある型がいれば、是非是非読んでみてくださいね!
次回の記事でも、この本に関することを書いて生きます。
長文お読みいただき、ありがとうございました!
ではまたー!